2022年(令和4年)9月26日(月)に、本年度の秋季卒業式を実施しました。
法学部長の式辞
式 辞
徐々に秋を迎えつつある今日この日に、熊本大学法学部は3名の令和4年度秋季卒業生を輩出することができました。本日、秋季学位記授与式を挙行することができたことは、本学部にとっても喜ばしいことであると思います。
まずは、本日この熊本大学法学部を卒業するみなさん、卒業おめでとうございます。さまざまな事情で通常卒業ではないとはいえ、このあとの人生において、熊本大学法学部を卒業したということは、必ずやみなさんの人生を支えてくれるものだと確信しております。そのことに誇りをもってください。
また、わたしも人の親となり、親が子どもことをどのくらい心配しているのかを、身をもって知ることになりました。みなさんの親御さんも同じ思いでいると思います。必ず今日のことを報告し、感謝することを忘れないでほしいと思います。
さて、世界を見渡すと、依然として力・暴力で現状を変更しようとするような動きが続いています。また、そうした状況は決して対岸の火事ではないのだというような言説も飛び交っています。いかなる理由があろうと暴力によることは許されるものではありません。ただ、そうした状況に至った原因を解明する、そこから現状についての解決策を引き出す、そして、将来を見通す。そのためには、歴史に学ぶ、哲学を繙く、法学にふれる、そうした文系の力が必要になります。ただ、こうした力は短時間で生成されるものではありません。
あすからみなさんは熊本大学法学部卒業生として、学士(法学)として、社会に出ることでしょう。熊大法学部卒業生には社会から大きな期待が寄せられています。ただ、まだまだその実力は期待に及ばないものだと思います。それでも「いざ、鎌倉」、みなさんの力が必要とされるときが必ず来ます。そのときのために、あすから(といわず)きょうからも、弛(たゆ)まぬ努力を忘れないように期待しております。
また、熊本大学法学部はこれからも九州・熊本における社会科学の拠点として、学生を育てると同時に地道な研究を継続していきます。これからは、卒業生として、是非、熊本大学法学部を温かく見守ってほしいと思います。後輩たちが頼っていくようなこともあると思うので、そのときにはよろしくお願いします。
きょう、熊本大学法学部を卒業する令和4年度秋季卒業生の将来に幸多いことをお祈りして、式辞といたします。
令和4年9月26日 熊本大学法学部長 大日方信春