2024年8月3日(土)には勤務校でオープンキャンパスが開催されました。以下は法学部オープンキャンパスでの学部長挨拶です。

熊本大学法学部のオープンキャンパスにお越しいただきありがとうございます。法学部長の大日方です。「おびなた」はどう書くのかというと、みなさんのお手許の熊本大学法学部のパンフレットをあけてもらうと、そこにわたしがいます。この3文字で「大日方」といいます。漢字は簡単だけど、読み方は難しい名前でしょうか。きょうお越しのみなさんは、熊本や近県の人が多いと思いますが、わたしは信州・長野県の出身です。熊大生は、やはり九州内出身の人が多いのですが、教員は日本中から集まってきています。ちなみに、ことしの1年生には長野県出身者がいて嬉しく思いました。

さて、法学という学問の歴史は古く「大学」という制度ができた12世紀から13世紀くらいには、法学は学問として成立していたとされているようです。ただ「法学部」という看板を掲げている大学は意外と少なくて、現在、全国に国立大学は86校ありますが「法学部」をもつ大学は14校しかありません。九州では九州大学と本学の2校だけです。それだけ、若干、入学が困難であるかもしれません。ただ、みなさんがこれから受験勉強を頑張ってもらって、入学試験を突破してもらう価値があるだけの大学生活は、必ず送ることができると思います。きょうは、限られた時間でしょうけれども、是非、熊本大学の、そして、その中の法学部の様子をご覧になっていってもらいたいと思います。

ところで、まだ大学にも入っていない段階で気が早いかもしれませんが、大学選びの1つの要素として、卒業後、結局、何になれるのか、どんな仕事に就くことができるのか、という点が気になるところかと思います。このパンフレットの19ページには、昨年度の「卒業生の進路」がまとめられています。それをみると、ほぼ半分の46%が公務員になっています(というと90名から100名くらいです)。法学部は一般的に公務員になる学生が多いのですが、やく半分までが公務員になるというのは、全国的にも高い数値だと思います。ただ、それでも約4割は企業就職をしています。熊本大学法学部では法学だけでなく政治学や経済学も学びますので、進路も文系学生が一般的に進む公務員・民間企業に満遍なく決めているといえると思います。

さらに、パンフレットの9ページ・10ページをご覧ください。法学部といえば何といっても裁判官・検察官・弁護士といった法曹養成だと思うのですが、こうした職に就くためには、司法試験に合格しなければなりません。その司法試験を受験するためには、現在のところ一般的には法科大学院という大学院に進学しなければならないのですが、熊本大学法学部は、九州大学・神戸大学・中央大学・早稲田大学と協定を結んで、連携して法曹教育をするというカリキュラムをもっています。司法試験を目指そうという学生は全体としては少ないかもしれませんが、目指している学生の多くは法科大学院への進学を決めております。こうした大学にいまはすこし難しいと感じていても、熊大で力を付けてチャレンジするということも十分にできます。この制度を詳しく知りたい人は、是非、あとでお聞きください。ちなみに早期卒業生を利用すると3年で学部が終わりそのあと大学院に進学して2年目で司法試験を受験できます。これに合格すると高校卒業から数えて5年目には司法試験に合格していることになります。昨年の司法試験からこの制度ができたのですが、昨年は、3名の熊大法学部卒業生が高卒5年目で司法試験に合格しました(スゴイですね)。さらに、10ページの一番下にありますが2021年度の卒業生は学部4年生のときに司法試験に合格して、現在、東京地方裁判所で裁判官しています。こうした卒業生もそこそこいます。

さて、わたしにも大学生の子どもがいて、きょうからフランスに短期留学にいくようです。といってもパリではないのでオリンピックを観戦するというわけにはいかないようですが。みなさんも来年・再来年には大学生になって、是非、楽しい大学生活を送ってほしいと思います。きょうはその切っ掛けとなればと思いますので、1日、大学生になった気分で熊大の雰囲気を味わってもらったらと思います。きょうはよろしくお願いします。