熊本大学法学部附属地域の法と公共政策教育研究センター(愛称「エルペルク」)は、昨日(2025年10月23日)、令和7年度の成果報告会を開催しました。令和4年4月1日にセンターを設置して以来、3回目の成果報告会となります。

「成果報告会」開催の意図については、当日のわたしの開会のご挨拶を参照してください。

エルペルク成果報告会でのご挨拶

熊本大学法学部、法学部長の大日方でございます。本日は、お忙しいところ、また、お足元の悪い中、熊本大学法学部附属地域の法と公共政策教育研究センター、令和7年度「成果報告会」にお越しいただきありがとうございます。

さて、このセンターは、いまご案内したように名称が長いので、われわれは「エルペルク」という愛称で呼んでおります。ウエブサイトもありますので「エルペルク」と検索していただくといいのですが、そこでは「メルパルクではありませんか」と聞かれますので、無視されて「エルペルク」で検索いただければと思います。

ところで、なぜ「エルペルク」なのかは、あとの報告のなかでお話ししようと思いますが、このセンターは、令和4年4月1日に設置しました。それから3年半たちます。設置の目的は、熊本大学法学部の地域貢献の拠点となることですが、大学に求められている「地域貢献」というのも、実はあまり明確ではないのかな、と感じております。そこで、本日は、この「地域貢献」のというものをすこし広く理解させていただいております。

熊本大学法学部の地域貢献は、まずは、学生教育・人材輩出であるとみて、報告順序通りではありませんが、報告順でいいますと「3」番、「法学部生の進路状況」について、ご紹介させていただきます。また、学生の教育・人材の輩出においては、大学内において教員が講義するというものだけでなく、地域の各種団体のご協力を得ているものがあります。報告でいいますと「2」の「地域公共人材クラス」での取り組みということになりますが、大学での教育がわたしたちだけではなく外部団体等のご協力を得ながらなされていることの一端をご紹介したいと思います。

さらに、大学といえば何と言っても研究ですが、法学の研究は、その多くは個人個人で実施しております。また、その成果は論文として公表されることが一般的で、一般の人に必ずしも届くものとはなっていないとも思われます。そこで、エルペルクでは、毎年、とくに熊本で生じている1つないし2つのテーマについて、そのテーマを代表する論者や実務家、ときには当事者にお越しいただいて、シンポジウムを開催しております。報告順では「1」番にあるものですが、大学で、とくに熊本にある大学の法学部で研究すべき社会課題について、一般の人にも公開の場で検討する機会となっておりますので、ここでご紹介させていただきます。

さいごの「4」番目の報告ですが、これは直接的な「地域貢献」といえるかもしれませんが、法学部の人材で地域の要望・課題に対応してきた取り組みについてご紹介いたします。

そして、本日こうして「成果報告会」と銘打ってみなさまにお集まりいただいた意図は、2つあります。

1つは、大学では、もちろん学生教育が行われています。ということで、学生は大学を利用しているといえると思います。ただ、大学は、とくに国立大学は、学生だけのものではなく、地域の社会のものでもあると思います。したがいまして、大学は、学生だけではなく、社会に利用されてはじめて、その存在意義はあると考えられます。そこで、熊本大学法学部にすこし関りあると思われるみなさまにお越しいただき、熊本大学法学部で現在行われていることをご理解いただくことで、継続して、また新規に、熊本大学法学部の資源を利用してもらう、そういう切っ掛けとなる機会になればと思い、みなさまにお集まりいただきました。

もう1つは、偉そうなもの言いになってしまうかもしれませんが、本学をみなさまの異業種交流といいますか、熊本における社会科学系団体の交流の場にしていただきたい、と考えてのものです。それぞれの団体様でさまざまなお考えがあるのかもしれませんが、本日お集まりいただいた団体様には、いままで本学の人材を受け入れていただいていて、また、これからも、あるいは、これから新たに本学から人材を供給していく役割が、本学には与えられていると認識しております。そうした本学をハブとして、みなさまが他団体の方とご交流いただける機会を提供できたらと思い、本日、お越しいただきました。第2部では意見交換会を予定しておりますので、その際にはお名刺の交換等、よろしくお願いいたします。

すこし長くなり申し訳ありませんが、わたしからのご挨拶にかえさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。