勤務校所属学部棟前のシンボル・ツリーだった梅の木が昨年(2022年)9月の台風で倒木したので、学園祭(紫熊祭)最終日の2023年11月4日(土)、新しいシンボル・ツリーとなることを願って高野槙の植樹式をしました。

式の冒頭でご挨拶したので、その内容を掲載します。

大学院人文社会科学研究部長・法学部長の挨拶

 人文社会科学研究部研究部長・法学部長の大日方でございます。文法学部棟前植樹式挙行にあたり、一言、ご挨拶いたします。

 まず、本日は、お忙しいところに、熊本大学武夫原会長・村田信一様はじめ武夫原会のみなさま、熊本大学長・小川久雄学長の列席も賜り、かくも盛大な植樹式を挙行することができることに御礼申し上げます。

 ここにおいでの皆様のご記憶にもあるのではないかと存じますが、もともとここには文法学部棟のシンボルとして梅の木がございました。この梅の木は、この界隈ではいち早く花を咲かせることで、春の訪れを感じさせてくれる存在でした。その植樹時期は定かではないくらい時間が経ってもり、多くの卒業生は、文法学部棟の前に梅の木があったことだけは、誰しもが記憶にあるという存在だったと思います。このように文法学部棟の日常に身近なものであった梅の木ですが、昨年令和4年9月に襲来した台風14号により、大枝が折れる被害にあいました。その影響から倒木の危険もあるということで、やむなく伐採するに至っております。

 その後、ポッカリとあいた文法学部棟前(それは、文学部・法学部・そして大学院社会文化科学教育部の心に穴が空いたようなものですが、それを)どう埋めようかと思案していたところ、三者の同窓会である武夫原会様から文法学部棟の新しいシンボルとなるための植樹についてご寄附をいただけるとのお話しをいただき、本日、こうして記念の植樹式を挙行する運びになりました。武夫原会様には、日頃から文学部・法学部・社文教の教育研究にご支援いただいていることに、厚く御礼申し上げます。

 さて、本日、植樹する木は、裸子植物マツ門に分類される常緑針葉樹である「高野槙(コウヤマキ)」です。その樹姿は端正な円錐形であり、東京スカイツリーのデザインの原点にもなっているとのことです。成長すれば必ずや端麗が樹形になると思いますが、成長は極めて遅いようなので、ここにおられる方は、わたしも含めて、その姿を目にできないかもしれません。それでも、将来的には文法学部棟の新たなシンボル・ツリーとなってくれることと存じます。なお、樹木の選定には、本学技術部に所属され薬学部薬用植物園をご担当されている渡邊将人技術専門員のご助言をいただきました。本日ご列席と伺っておりますが、渡邊様にも厚く御礼申しわげます。

 ご挨拶の最後に、いま本学は大きな変革期にあると存じます。それは文法学部棟にある文系学部にも当てはまることと存じます。本日の植樹式をまた一つの機縁として、熊本大学の文系学部も更なる発展を目指すことをお誓いして、わたしのご挨拶といたします。

 令和5年11月4日

 熊本大学大学院人文社会科学研究部研究部長 大日方信春