きょうはウェブページの紹介企画第3弾、研究活動のページを紹介します。わたしのいままでの研究業績が所収されている現物を並べてみました(現物が見つからなかったものが2つ、3つありますが・・・)。バラバラ並んでいるようですが、一応、時系列です。左上が修士論文、右下が最新のものです(本棚の高さに収まらなかった博士学位請求論文やパテントは上に寝かせています)。多くもなし、少なくもなし(と、思いたい)、という感じでしょうね。

業績一覧

主要業績について

(1)憲法典の哲学的基礎づけ

これは大学院のときの研究テーマです。ジョン・ロールズの規範的正義論を中心に修士論文と博士論文を執筆しました。博士論文の一部ははじめての単著(『ロールズの憲法哲学』)として出版できました。

ロールズ研究、そして、正義論に関する研究、最近さぼってしまっています。このウェブページの作成を機にこれからも大切にしていきたい研究テーマです。

(2)知的財産権と表現の自由について

これがいまの研究テーマといえると思います。著作権、商標権等を保護することは表現行為を規制することである、という視点から研究しています。

そろそろ前著(『著作権と憲法理論』)を受けた研究書をまとめたいところです。

(3)憲法理論の体系的研究

勤務校では憲法8単位を講義しています。その講義の産物がわたしの『憲法Ⅰ 総論・基本権論』と『憲法Ⅱ 基本権論』です。自分の本で講義できるのは幸せなことだと思います。

これからも日々考えたことをこまめにメモして2冊の体系書をアップデートしていきたいと思います。

(4)その他

学界では、一応、表現の自由を研究している人と思われている(?)と思うので、表現の自由に関するしっかりとした論文も書きたいところ。

変わり種として、すこし外からの要請もあったのですが「PTAと憲法」や「土地利用・所有者不明土地問題と憲法」(平成28年熊本地震を契機とした研究)みたいなものもあります。PTAの方は自治会や町内会の問題、所有者不明土地の方は空き家問題等、すこし発展させたかたちで、 これらも勉強を続けていきたいと思います。

年別の研究業績について

わたしの初めての研究業績は1997年に公表されています。この業界はかつては1年に1本の論文公表がいるといわれていました。ただ、いまでは1年に1本では許されないかも・・・「パブリッシュ・オア・ペリッシュ」(論文を発表するか、さもなくば滅びるか)という厳しい世界です。一応、単著や図書という媒体で発表された論文を含めると、いまのところ、1997年以降、毎年なんらかの研究業績を上げてこられていると思います。

ただ、何年この業界にいても、つぎの論文を書けるか、常に不安になります。よく大学教員は授業、学内業務を嫌い、研究は放っておいてもする、といわれます。ただ、わたしの感覚はそうではありません。学内業務なんて簡単、やれといわれたことを手抜きがバレないようにやればいい。授業はたしかに大変。でももっと大変なのは研究のように思います。もし論文を書かなくていいなら、大学の教員ほど楽な仕事はないと思います。わたしのようにとくに信念もなく、職業として大学教員をやっているだけの人間にとって、論文を書くことは非常に辛い。

それでも「パブリッシュ・オア・ペリッシュ」です。この仕事にある以上、書くことが要請されているのでしょう。