先日(2025年12月20日)、出身校で研究報告しました。この研究会、広島公法研究会といい、広島大学出身者や広島界隈の憲法・行政法研究者が、いま考えていることとかを「気楽に」報告できる研究会です(と、わたしは理解しています)。わたしも大学院生の頃から参加させてもらっています。わたしが院生で幹事させていただいた頃は150回あたりだったと思いますが、先日は第312回
ということでした。
報告テーマは「商標登録拒絶事由による表現規制・補遺」とさせていただきました。商標法は商標登録できない場合(商標登録拒絶事由、不登録事由)を定めているのですが、商標はある種のマーク・記号による表現とみることができるので、登録拒絶事由は表現規制にあたるのではないかということを内容とする報告です。
今回取り上げたのは2024年のアメリカ連邦最高裁判決 Vidal v. Elster です。これは生存者の氏名は原則として商標登録できないとするアメリカ連邦商標法の「氏名条項」により「Trump Too Small」が商標登録拒絶された事案で、氏名条項が表現の自由を侵害するのではないかというのが論点でした。なお標題を「補遺」としたのは、2023年の拙著『表現の自由と知的財産権』では扱っていない判例だったからです。
業務多忙(言い訳にならないですが)でなかなか勉強できていないのですが、自分を育ててもらった研究会なので、今年も研究報告の責を塞ぐことが一応できてよかったと思います。



