過去の新聞等へのコメントを紹介する企画の第2弾です。

きょうは2011年2月11日の熊本日日新聞に掲載されたコメントを紹介します。

熊本日日新聞2011年2月11日

当時、大相撲八百長問題が世間を揺るがしていました。ただ、その発端は、警視庁が野球賭博事件にからみ携帯電話を押収したことにはじまります。携帯電話の消去メールを復元したところ、大相撲八百長を疑わせるメールがあったとのこと。ここでまず、メールの復元はどこまで認められるのか、という問題があります。

つぎに、警視庁は、大相撲を管轄する文部科学省に「行政機関相互の協力の枠組みに基づいて」、復元メールの情報を提供しています。ここに2つめの問題、他の行政機関へのこの情報提供が許されるのか、という点があります。

わたしのコメント - 通信の秘密を侵害するおそれあり

わたしは警察庁が得た復元メールの内容を文科省に伝えたことについて、

「行政機関は一体として機能を発揮するとした国家行政組織法に基づく情報提供と思われるが、問題は中身をどう伝えたかだ」として、「誰がいつ、何を、誰に送信したかなど、通信のすべてを提供したのであれば、憲法が保障する通信の秘密を侵害する恐れがある」と指摘しました。

現在の勤務校に赴任してはじめて取材をうけてコメントしたものです。勤務校は熊本唯一の法学部なので、とくに地元メディアへの知識提供もその業務の内容であると感じました。