大学教員は、研究と講義に加えて大学運営にも携わっています。私は2015年から広報担当の学長特別補佐として、熊本大の広報全般の責任者をしています。

 広報の役割は、熊本大の存在意義をいかに社会に伝えるか。媒体も多岐にわたっていて、空港や駅に掲示される看板から、最近ではテレビCMも手掛けるようになりました。担当職員と知恵を絞る日々ですが、中でも重要な仕事が「熊大通信」(A4判、22誓) の発行です。
 掲載する内容は、大学の研究成果や社会貢献、国際連携といった活動、学内のトピック、各界で活躍する卒業生の紹介が基本となります。発行は年4回。春夏秋冬を意識し、文理計7学部のバランスにも配慮しています。さらに編集方針としてこだわっているのが「自分が読んで面白いものをつくること」です。
 熊本地震を特集した61号(16年夏)は、忘れられない思い出です。熊本大では本震後、各キャンパスにできた避難所をボランティアの学生が中心となって運営しました。「立ち上がり、考え、行動した」学生たちの奮闘を、生き生きとした表情と共に誌上で紹介できたと思っています。「熊大生今昔」(59号)や、研究者4人に熱く学問を語ってもらった特集(60号)も傑作だと自負しています。
 読めば、ちょっと知識がつく―。熊大通信は、受験生だけでなく一般の人にも親しんでもらえる、そんな広報誌を目指しています。県庁や公立図書館、空港やJR熊本駅にありますので、手に取っていただければ幸いです。