伝統の熊大応援団 『一筆』第7回 紙面画像

 

 大学生が課外活動をする団体は「サークル」と呼ばれます。熊本大には大学公認だけで73団体あり、複数を掛け持ちしている学生もいます。かくいう私も、硬式野球部と応援団、アカペラサークル「ヒゴペラ」、教科書再販売の収益を途上国に寄付する「STUDY FOR TWO」の部長を引き受けています。

 中でも、54周年を迎えた応援団は、伝統あるサークルの一つです。大学対抗の各競技大会で観客席から選手たちにエールを送るのが主な活動で、県外で開かれる大学の同窓会に招かれて演舞を披露することもあります。2005年にはチアリーダー部「BLAZES(ブレイジーズ)」が結成され、応援の風景は大変華やかになりました。
 一方で、学ラン姿で応援するリーダー部は近年、部員不足に直面しています。応援団には「武夫原頭に草萌えて」、「第一応援歌(必勝の歌) 」、「田原坂」など多くの演舞がありますが、部員は団長1人という年も珍しくなく、伝承が難しくなった演舞があるようです。5年前、1人部員の団長が途絶えていた演舞「逍遥歌」を学園祭で復活させてくれた時には、応援団が目指す剛毅の精神に感服しました。
 蛮カラで男臭いイメージとは打って変わり、現在のリーダー部は4人中3人が女性。先代の女性団長に憧れて入部した学生もいます。武夫原(熊大グラウンド)での演舞の稽古には、OBが駆け付けてくれています。少しずつですが活気づいてきた応援団を、私も縁の下から支えたいと思っています。