熊本大硬式野球部 『一筆』第10回 紙面画像

 

 熊本大法学部には教員の野球チームがあり、学生時代に野球経験のある私もメンバーです。それが縁で10年前、熊本大硬式野球部の部長を引き受けました。

 硬式野球部の歴史は古く、1887(明治20)年の第五高等中学校創立と同時に活動を始めました。大学野球は私立大の台頭もあって、国立大は強くないイメージがあります。熊大の戦績も、平成の途中まではさほど芳しくなかったようです。
 ところが、グラウンドで部員のプレーを見てその印象は一変しました。私の学生時代と比べて、打撃も守備もうまくて格好良いのです。ただ、そう簡単に結果は付いてきません。県内のリーグ戦の学園大、崇城大、東海大さんはさらに上をいく強さでした。「強敵にあと一歩」の壁を突き破ってくれたのが、元熊本工高監督の山口俊介さんです。コーチを経て監督として迎えてから年々、競った試合を勝ちきれるようになり、2018年の四大学春季リーグで悲願の初優勝。昨年開かれた九州地区新人戦の県予選でも初優勝を果たしました。
 調子を見極めた選手起用に投手や打者への適時のアドバイス…。試合の流れを引き寄せる山口さんの采配は、そばで見ていて頼もしい限りです。学生も授業・実習の合間を縫っての練習ですが、実戦に向けて効果的な準備ができるようになってきました。
 今季、学生たちはどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。春のリーグ戦は4月に開幕します。私もベンチの一員としてチームを支えたいと思います。