2026年10月1日(木)の11時30分から、勤務校文法学部棟共用会議室で、熊本県保護観察所、熊本県BBS連盟、そして本学法学部附属地域の法と公共政策教育研究センター(エルペルク)の三者によるBBS活動についての連携協定調印式を実施しました。

BBSとは、挨拶文にもあるのですが、Big Brothers and Sistersの略称で、非行や不登校などの問題を抱える青少年に対して、同世代に近い若者が「兄」や「姉」のような立場で立ち直りの支援をする活動のことです。

法学部長(エルペルクセンター長の挨拶)

熊本大学法学部長の大日方でございます。熊本保護観察所、熊本県BBS連盟、そして熊本大学法学部附属地域の法と公共政策教育研究センターの三者による、教育及び支援協力に係る連携協定の締結にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

さて、熊本大学法学部附属地域の法と公共政策教育研究センターは、このセンターは、その設置以来愛称で「エルペルク」と呼んでおりますので、以下、エルペルクとさせていただきますが、このエルペルクは、法学を中心とする専門的な知見を地域社会に還元するとともに、学生が地域社会の現実に触れながら学ぶ機会をつくることを重要な使命の一つとしております。そこで、今回の連携において、私が特に大切にしたいと考えておりますのは、熊本大学法学部の学生が、BBSの活動に実際に参加する機会を得ることです。

BBSとは、Big Brothers and Sistersの略称であり、非行や不登校などの問題を抱える青少年に対して、同世代に近い若者が「兄」や「姉」のような立場で寄り添い、相談に乗ったり、一緒に活動したりしながら、その立ち直りを支援する活動とのことです。この活動には、法学の教科書や講義だけでは学ぶことのできないものがあると思います。

法学部では、犯罪や非行について、刑法、刑事訴訟法、少年法などを通じて学びます。しかし、現実の社会において、一人の少年が非行に至り、そしてそこから立ち直っていく過程には、法律だけでは説明できないさまざまな事情があります。そこには、家庭、学校、友人関係、地域社会、そして本人自身の悩みや希望など、多くの要素が関わっていると思います。そうした現実に学生が直接触れ、少年たちと向き合い、対話する経験を持つことは、法を学ぶ者にとって極めて大きな意味を持つものと考えております。

もちろん、学生は専門職ではありません。したがって、学生に何か特別な役割を担わせるということではありません。むしろ、BBSの活動に参加し、経験豊かな皆様から学びながら、地域社会の一員として青少年の立ち直りを支える活動に関わる。その経験そのものが、学生にとって重要な学びになると考えております。

そして、そこで得た気づきや問題意識を大学に持ち帰り、授業や研究の中でさらに考えていく。そのような「地域で学び、大学で考え、また地域に還元する」という循環を、この連携によってつくることができればと願っております。

さらに、この協定は学生教育のためだけのものではありません。熊本保護観察所が有する専門的な知識と経験、熊本県BBS連盟が長年にわたって培ってこられた実践、そして大学が有する教育・研究の力を結びつけることで、地域における青少年の立ち直り支援について、三者がともに学び、考え、よりよい支援のあり方を模索していくことにも大きな意義があると考えております。

法は、違反した者を処罰するためだけにあるものではありません。人が社会の中で再び居場所を見つけ、他者とのつながりを取り戻し、将来に向かって歩んでいくことを支えることも、法と公共政策が考えるべき重要な課題です。

だからこそ、今回の連携は、法学教育にとっても大きな意味を持つものだと考えております。

熊本保護観察所、熊本県BBS連盟、そしてエルペルクの三者が、それぞれの立場と専門性を尊重しながら協力し、この熊本の地における青少年の立ち直りと成長を支える取り組みを発展させていくことを心より期待しております。

最後になりましたが、本日の協定締結が、学生にとっての新たな学びの場となるとともに、地域における支援の輪をさらに広げる契機となりますことを祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。

本日はよろしくお願いいたします。

2026年10月1日

熊本大学法学部長 大日方信春

保護観察所のマスコット・更生ペンギンのホゴちゃんと記念撮影しました。