熊日夕刊に連載された大日方信春のエッセイ『一筆』をまとめたページです。2019年1月~3月まで毎週金曜日に12回にわたって連載しました。
憲法を学ぶ 『一筆』第1回
大学で憲法学を研究する職を得て20年余り。講義やゼミで学生に教えつつ、私も憲法を学び続ける身ですが、そもそも「憲法を学ぶ」とはどういうことでしょうか。 憲法は、コンスティテューションの訳語で「国家の基本方針」を意味しま […]
コロナ禍の授業 『一筆』第2回
コロナ禍で生まれた言葉に「対面授業」があります。何のことはない、大学で行われる通常の講義やゼミ、実習のことです。この日常がいかに特別なものであったか。1年間で私たちが幾度も感じたことでした。
広報誌「熊大通信」 『一筆』第3回
大学教員は、研究と講義に加えて大学運営にも携わっています。私は2015年から広報担当の学長特別補佐として、熊本大の広報全般の責任者をしています。
当代学生事情 『一筆』第4回
私が学生だった30年前と比べて、近ごろの大学や学生気質は随分と変わったな、というのが実感です。 文系では、昔は大教室で100人を超える学生に講義するスタイルが主流で、「マスプロ教育」と椰楡されたものでした。今は多く […]
コロナと憲法 『一筆』第5回
新型コロナウイルスの猛威で、政府の「緊急事態宣言」が再発令されました。独自に宣言した熊本を含め、知事たちは飲食店の時短営業や外出自粛を求めています。ただ、国民に営業や移動(旅行)の自由を保障している憲法との関係は、 […]
法曹を育てる 『一筆』第6回
大学法学部の役割の一つに、未来の法曹(裁判官・検察官・弁護士)を育てることがあります。司法制度改革で2004年度以降、その中核機関として熊本大をはじめ全国に74校の法科大学院が設立されました。 司法試験による一発勝 […]
伝統の熊大応援団 『一筆』第7回
大学生が課外活動をする団体は「サークル」と呼ばれます。熊本大には大学公認だけで73団体あり、複数を掛け持ちしている学生もいます。かくいう私も、硬式野球部と応援団、アカペラサークル「ヒゴペラ」、教科書再販売の収益を途 […]
著作権と表現の自由 『一筆』第8回
一口に憲法学といっても、研究テーマは多岐にわたります。統治の分野は国会、内閣、裁判所の権限の分析が中心で、人権の分野では、思想・良心の自由や財産権の保障などがあります。私は近年、「著作権と表現の自由」に注目していま […]
大学の地域貢献 『一筆』第9回
大学には、さまざまな形での地域貢献が求められています。その―つは、地域のシンクタンク機能でしょう。大学の研究者は、自治体などの審議会で他の有識者と同様、専門的な立場から意見を求められます。
熊大の赤煉瓦 『一筆』第11回
熊本大の前身の―つに、旧制第五高等学校があります。嘉納治五郎らが校長を務め、ラフカディオ・ハーンや夏目漱石が教壇に立ち、佐藤栄作元首相や田中二郎最高裁判事も輩出しました。そうした伝統の面影は、構内にある建造物からも […]
ゼミ生「ロス」 『一筆』第12回
熊本大学で昨日、卒業式がありました。新型コロナの感染予防で「密」を避けるため、代表者のみが出席する形式でした。私の憲法ゼミからは今春、25人が巣立ちます。今回は社会へと旅立つ彼、彼女たちの声を紹介します。